第34回日本国際保健医療学会学術大会 大会長
堀 浩樹
(三重大学大学院医学系研究科)
2019年12月7-8日に第34回日本国際保健医療学会学術大会を三重県津市にあります三重大学キャンパスにて開催させていただきます。文部科学省が進める国立大学の機能分化の方針の下、多くの地方国立大学は「地域に貢献する大学」を選択し、それぞれに特色のある教育研究を実践しています。三重大学も地域圏大学として地域との連携強化に取り組んでいますが、地域圏大学が内向きになり過ぎることのないよう注意すべきであると思います。保健医療の領域においては、地域保健医療の実践や教育を国際保健医療と融合させることにより、地域と国際の双方の保健医療の進展に寄与する活動を展開できると考えています。そこで、本学術大会のテーマを「地域から広げる国際保健医療のひとづくり」としました。そして、このテーマに沿って特別企画、シンポジウム/ワークショップを企画しました。
また、これまでの学術大会では取り上げられることがなかった領域での国際連携についても参加者のみなさんと情報を共有したいと考えています。私の国内での活動領域でもあります「小児がん」については、2018年からWHO主導でGlobal initiative for childhood cancer が開始されています。この活動では、2030年までに世界の小児がん患者の生存率を60%まで引き上げ、小児がんで失われている100万人の子どもの命を救うことを目指しています。
令和の時代が始まって初めての学術大会となりますが、三重県内には、伊勢神宮や熊野古道という日本の歴史を象徴する聖地があります。また、公害を克服した環境先進都市・四日市市や国際的なモータースポーツ都市である鈴鹿市などもあります。三重県というと印象の薄い県であるとか、近畿か中部かよくわからないとよく言われます。一度、お越しいただければ、豊かな自然と多彩な伝統文化、科学技術が融合した魅力ある地域であることを知っていただけると思います。さらに、松阪牛、伊勢海老に代表される美食の国でもあります。学術大会への参加とともに三重の伝統文化や食を楽しんでいただくことを期待しております。
多くの皆様のご参加を心からお持ちしております。